我慢でも攻撃でもない。夫婦円満をつくる自己表現「アサーション」とは?

夫婦関係のご相談で、非常に多いのが次のようなお悩みです。

  • 話し合おうとすると、いつも言い合いになる
  • 本音を言うと、相手を傷つけてしまいそうで言えない
  • 我慢しているうちに、気持ちが冷めてしまった

実はこれらの背景には、「伝え方」に問題があるケースが少なくありません。

本記事では、心理学者・平木典子氏の著書

『アサーション入門 ― 自分も相手も大切にする自己表現法』

をもとに、夫婦関係を穏やかに、かつ誠実に整えていくためのコミュニケーション法

「アサーション」について解説します。

目次

アサーションとは何か

アサーションとは、

「自分の気持ちや考えを正直に伝えながら、同時に相手の尊厳も守る自己表現」

を指します。

アサーションは次の2つを同時に満たすことを目的としています。

  • 自分を抑え込みすぎない
  • 相手を支配・攻撃しない

つまり、我慢でもなく、強要でもない第三の伝え方です。

夫婦関係で起こりやすい3つの伝え方

夫婦関係では、無意識のうちに次のような表現にかたよりがちです。

表現タイプ特徴夫婦関係への影響
非主張的言いたいことを飲み込む不満の蓄積・心の距離
攻撃的強い言葉・否定・命令対立・萎縮・信頼低下
アサーティブ自他尊重の表現安心感・対話の継続

アサーションは、長期的に関係を維持・成長させるための表現法です。

夫婦関係におけるアサーションの3つの役割

平木氏は、アサーションの機能を以下の3つに整理しています。

1.問題解決のためのコミュニケーション

家事・育児・お金・時間の使い方など、「生活のすり合わせ」を冷静に行うための力です。

2.関係を保つためのコミュニケーション

感謝・共感・ねぎらいなど、関係の温度を保つ言葉がここに含まれます。

3.自己実現を支えるコミュニケーション

「個人としての夢や価値観」を尊重し合う対話です。

夫婦関係が息苦しくならないために不可欠な要素です。

今日から使えるアサーションの具体例

「あなた」ではなく「私」を主語にする

×「どうしていつも○○してくれないの?」

○「私は○○してもらえると安心する」

事実と感情を分けて伝える

×「無責任だと思う」

○「連絡がなかったので、私は心配になった」

要求は具体的に、現実的に

×「もっとちゃんとして」

○「○時までに一度連絡をもらえると助かる」

相手を評価・非難せず、私は(事実)に対して(感情)を感じている「自分の感じていること」を主語にして伝えることを意識して行いましょう。

アサーションが夫婦にもたらす変化

アサーションを身につけることで、

  • 話し合いが「戦い」にならなくなる
  • 感情を安心して表現できるようになる
  • 信頼と尊重が積み重なっていく

といった変化が、実際のカウンセリング現場でも多く見られます。

正しさよりも伝え方の質が大事

夫婦関係を良くするために必要なのは、「正しさ」よりも「伝え方の質」です。

アサーションは、自分を大切にすることと、相手を大切にすることを両立させる技術です。

もし今、

  • 話すこと自体が怖くなっている
  • 何をどう伝えればいいのか分からない

そう感じているなら、それはあなたの努力不足ではなく、方法を知らなかっただけかもしれません。

  • 話し合いができない
  • 気持ちを言葉にできない
  • 同じことで何度も衝突してしまう

このようなお悩みがある方は、カウンセラーに話してみませんか?

カウンセリングの予約はこちらから

出典:平木典子『アサーション入門 ― 自分も相手も大切にする自己表現法』講談社現代新書(2012年)

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